内科主任医長 石塚隆雄 |
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インフルエンザウイルスに感染後、1〜3日間の潜伏期間を経て、突然38〜40度の高熱が出て発病します。それと同時に、悪寒、頭痛、背中や四肢の筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が現れます。これに続いて、鼻水、のどの痛みや胸の痛みなどの症状も現れます。発熱は通常3〜7日間続きます。
インフルエンザの治療薬である抗ウイルス剤は医師の処方箋が必要ですので、一般の薬局で買うことはできません。発症後48時間以内に使用した方がよいので、早めに医療機関を受診したほうがいいのですが、熱が出てからあまりに早すぎると(2時間くらい)インフルエンザの検査で陽性に出にくいので注意が必要です。6時間くらいすると陽性率が高くなります。 発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などに解熱鎮痛剤、鼻水、くしゃみに抗ヒスタミン剤、咳、痰に鎮去痰剤が用いられます。これらの投薬は症状をやわらげる対症療法であり、インフルエンザそのものをなおしているわけではありません。 また、小児の場合は解熱鎮痛剤を使用するとまれに、ライ症候群(小児急性脳症;ウィルス感染に引き続いて脳浮腫がおこり嘔吐・意識障害が出る病態。死亡率が高い)という合併症を併発することもありますので、必ず医師の指示のもとに服用するようにしてください。 |
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2007年冬 36号 広報掲載 |