内科医長 今村 誠 |
年末、年始をいかがお過ごしだったでしょうか。“食べ過ぎた・飲みすぎた”というかたも数多くいらっしゃると思います。今回は生活習慣病のはなしです。記憶がものすごく良いかたはおぼえていらっしゃるかもしれませんが、数年前に別のかたが書いているため重複も多いと思いますので御承知ください。 生活習慣病という言葉はきいたことがあると思いますし、“生活習慣に関係ある病気なんだろうなあ”ということはなんとなく御存じであると思いますが、どんな病気が含まれるのか、正確に知っているかたは少ないと思います。 おおまかに、喫煙でおこりやすい肺癌・動物性脂肪摂取でおこりやすい大腸癌などの一部の癌・脳梗塞・脳出血などの脳血管障害・心筋梗塞などを指します。“これって3大成人病じゃないか”と思ったかたは鋭い。そうです。以前の成人病です。しかしだんだんこれらの病気が若いかたにもおこってきたことや、糖尿病、高脂血症、高血圧があるとこれらの病気になりやすいことがわかってきたため、生活習慣に起因する病気ということで生活習慣病となりました。肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧が同時にあるかたに関しては、脳血管障害、心筋梗塞を非常におこしやすいため、最近ではメタボリックシンドロームという病気として認められています。これらのほかにも骨粗鬆症、肺気腫なども生活習慣病になります。これらも喫煙、運動、食事の影響が大きいからです。ここまで読めば予防法もわかったと思います。 (1)食習慣に気をつける 食べ過ぎ、塩分のとりすぎに気をつける。 (2)飲み過ぎに気をつける これは(1)とも重なりますが、男性の場合これが大きく影響しますのでとりあげました。 (3)運動不足に気をつける 目標一日一万歩! (4)体重に気をつける 食事と運動の効果が同時にわかります。 (5)禁煙 癌の原因にもなりますし、動脈硬化の原因にもなります。 ここで今回強調しておきたいのは(5)の禁煙です。採血などの数値では現れないため、ついつい医師も注意をおこたりがちですが、先ほど述べたように喫煙は強力な癌促進因子ですし、動脈硬化因子なので、是非禁煙してください。 |
2006年冬 32号 広報掲載 |