呼吸器)主任医長 石塚隆雄 |
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夏も終わり涼しくなってきました。風邪などの感染症に気をつけないといけない季節です。普段は気道粘膜細胞から分泌された粘液が、細胞表面の線毛によって気管支から咽頭へ運ばれ、ウイルスや細菌などを外にだす機能が働いています。しかし空気が乾燥してくると咽頭粘膜が乾き、この防護機能が低下します。このため、肺炎やインフルエンザにかかりやすくなります。 そこで、感染の予防として A) 外出時にはマスクをして、室内では加湿器などを使って適度な湿度(50〜70%)を 保ちましょう。 B) 十分に休養をとり、体力や免疫力を高め、バランスよく栄養をとりましょう。 C) うがい・手洗いを励行しましょう。 インフルエンザの予防には流行前にインフルエンザワクチンを接種する方法もあります。流行前ですから10月〜11月に接種するとよいでしょう。 適応になる方は 1. 65歳以上の人 2. 老人施設入所者 3. 慢性の呼吸器系・循環器系・代謝性(糖尿病など)・腎疾患の人 4. 免疫力の低下した人 などです。 インフルエンザに罹患したら、治療薬として抗ウイルス薬を医療機関で診察した上で内服するとよいでしょう。インフルエンザは通常2〜3日で解熱しますが、その後も2日間くらいは他の人にうつす可能性が高いので人の多く集まるところには出ないように配慮しましょう。
いずれにしてもインフルエンザウイルスと肺炎球菌の感染症にしか効果はありませんのでワクチンを接種したとしても日ごろの感染の予防に心がけましょう。 |
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2005年秋 31号 広報掲載 |