花粉症は喘息やアトピー性皮膚炎と並ぶ代表的なアレルギー性疾患です。花粉が抗原となり、それに対抗する抗体が体内で作られた結果再び花粉を吸入すると抗原と抗体が反応し、くしゃみ・鼻水・鼻閉・目のかゆみなどの過敏症状が起こります。この反応がアレルギーと言われるものです。原因となる花粉には春先のスギ、夏はイネ科のカモガヤやオオアワガエリ、秋はキク科のブタクサやヨモギなどを含め60種類もの報告があります。
スギ花粉症は昭和39年に日光で発見されて以来、昭和50年代から患者数は急増し今日に至っています。有症率は地域差があり、日本スギのほとんどない北海道や沖縄では低く、逆に山梨、長野、高知の順に高く、全国平均は16.2%で群馬県は19.2%でした。春先に上記症状があればスギ花粉症が疑われますが、鼻の中の所見や、血液検査などで診断を確定します。
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昨年の記録的猛暑の影響で、今年の飛散量は例年の2倍、昨年の10倍にもなると予想されています。当院では毎年1月下旬頃から患者さんが受診しますが、症状が出る前にマスクやメガネを着用するなど予防が大切です。 |
テレビなどの花粉情報を参考に外出し、上着は毛織物など花粉が付着しやすいものでなく、表面のすべすべしたものが良いようです。外から帰ったらうがいや洗眼をしたり、鼻をかんで付着した花粉を除去してください。それでも耐え難い症状がある場合はお薬が必要になります。最近は眠気の副作用がほとんど無い薬や、鼻閉に効く薬なども開発されています。 またステロイドの点鼻薬なども全身に与える影響が少なく、短期間なら比較的安全に使用できます。
また毎年強い症状に悩む人は症状が始まる前に内服を開始すると軽症で済むという意見もあるようです。いずれもかかりつけの先生に相談し、処方していただくことをお勧めします。さらに外科的治療として粘膜の電気焼灼や切除、副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症が合併している場合はこれに対する手術もあります。内服で改善が見られない場合は御相談下さい。 |
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