諦めていませんか？膝の不安定感


整形外科 　医長 　小野　庫史
　以前に膝の怪我をしたので、気をつけていないと膝がずれる感じがする、膝が抜ける感じが怖くてスポーツができなくなった。あなたのまわりにこんな方はいませんか？
　そんな方は膝の中にある前十字靭帯の断裂の可能性があります。また、診断は分っているけれど、どこでどんな治療を受けたらいいか分らなくて、そのまま諦めている方も多いのではありませんか？
　膝の前十字靭帯断裂には、縫合などの修復が効かないため、靭帯の作り直し手術、再建術が必要です。怪我をした膝から、お皿の下の靭帯（膝蓋腱）の一部や、膝を曲げるすじ（屈筋腱）の一部を、もらってきて膝の中に移植をする手術です。
写真を見ながら説明 　富岡総合病院で膝の靭帯再建手術は、受けることができます。私も10数年来、この手術をしていますし、手術術式も年々改善されていますので、安定した手術成績を出せるようになっています。
　手術には１ヶ月ほどの入院と、２ヶ月ほど大きな装具をつけている必要がありますが、入院中にほとんど重要なリハビリは終わっていますので、退院時には、装具はつけているものの、ほとんどの日常生活動作は可能となっています。
でも、筋力がもどるまで、また移植靭帯がしっかり生着するまで待つために、スポーツ復帰は、早くとも術後６ヶ月は待つことになります。　少し長すぎると思われるかもしれませんが、長い人生ずっと膝に不安をかかえているよりはいいと思いますよ。実際、１０数年来膝の不安をかかえて生活しておられた方が、この手術を受けられて、「手術を受けて良かった。」とおっしゃっていただくことも多いのです。
　今回は、紙面の都合から、靭帯再建手術だけの紹介となってしまいましたが、その他にも、膝のクッションである半月板手術（関節鏡）、お年寄りの膝に対する人工膝関節置換術や、高位脛骨骨切り術、お皿（膝蓋骨）の脱臼に対しての手術など、膝に関しての手術はなんでもやっています。
　現在の外来の混雑と待ち時間は、本当に申し訳ございませんが、長く悩まれてきた膝の悩みなどは、ぜひ一度ご相談下さい。（ご紹介状をいただけると、病院の方針から、多少順番の便宜を、おはかりすることができるようです。）






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