先日、高円宮様が心室細動と呼ばれる致死性不整脈のため急死なされ、不整脈治療に対する関心が高くなってきています。そこで、不整脈を簡単に説明しその治療について当院での取り組みを含めご紹介いたします。 ご存知のように心臓は血液を体中に循環させるポンプの働きをしていて通常は規則正しく一分間に50~100回、一日約10万回拍動しています。拍動の規則性が失われたり心拍数の異常をきたした場合を不整脈と呼んでいます。 不整脈の症状は、無症状のものから失神、突然死まで幅広く様々ですが、動悸、胸痛、眼前暗黒感などを自覚する場合が多いようです。 心拍数の異常として50回/分以下を徐脈と呼びますが、失神、心不全などの症状を伴う場合には治療が必要となります。徐脈性不整脈に対する薬は現在のところ有効なものがなく、ペースメーカーと呼ばれる機械を体内に植え込む必要があります。当院では年間約30人にこの治療を行っています。 一方、心拍数100回/分以上を頻脈性不整脈と呼びまます。薬による治療がひとつの方法ですがいくつかの問題があります。副作用の問題、効果の問題、生涯にわたり服用を続けなければならないなどです。 そこで当院では、カテーテルによる治療を積極的に取り入れています。足の付け根から挿入した細い管(カテーテル)で心臓内の不整脈起源を探し、カテーテル先端を50℃程度に熱して起源を破壊する方法です。不整脈の種類によりますが成功率は95%程度で、その後の治療は必要なく薬からも開放されます。
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