小児科病棟看護師 金田 きみ子 |
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ハイハイを始めたばかりの赤ちゃんから2〜3歳までの幼児は、目にするもの全てが珍しく、口に入れてその性質を知ろうとします。そのため、とんでもないものを飲み込んだり(誤飲)、吸い込んだり(誤嚥)してしまいます。中には「飲んだけれども吐き出した」「飲んだけれどもなんとなく便と一緒に出た」「すぐ吐き出せたので大事に至らなかった」など、一応事故にならずに済むケースも多くあります。 しかし、この誤飲や誤嚥が障害の原因になったり、命に関わることもあります。特にピーナッツやアーモンドなどの豆類は、気管の中に吸い込んだときに大変危険です。ピーナッツなどの豆類を食べているときに、転んだり・ふらついたり・びっくりしたりして吸い込むことが多いようです。子どもがおとなしくしていることはあまりありませんが、食べながら遊ぶ習慣をつけないように気をつけましょう。 ピーナッツなどの豆類が、もし気管に入った場合は、息ができなくて顔色が悪くなり声も出なくなってしまった時(完全閉塞の窒息状態)以外は、子どもを逆さまにして背中を叩いたり、上腹部を締め付けるなど、刺激をして排出させる方法はしないで下さい。かえって気管の奥に入ってしまい危険です。ピーナッツなどの豆類は、気管に入ると気管支の中で水分を吸収して大きくなり、気管支をふさいでしまいます。その上、ピーナッツ類に含まれている油成分が肺を刺激して、肺炎を起こすといわれており、早急に取り出す必要があります。できるだけ早めに小児科または耳鼻科の受診をするようにしましょう。幼児にはピーナッツなどの豆類を絶対に与えないようにすることが大切です。
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