トピックス 「植物かぶれ」



植物かぶれ ヘルスフォーカス


皮膚科主任医長  渡辺 剛一

 かぶれは痒くじゅくじゅくして、患った人は気分が良くありません。一般的にステロイド外用剤を処方します。ステロイド外用剤はかぶれた後、より早く治るために塗るのです。
かぶれないためには原因となる物に触れないことが大切です。しかし、日常生活では、本人がかぶれる原因物質とは知らないで触れ、何回もかぶれる事が多いのです。 今回は外来診察でよく見かける、かぶれる植物について書きます。 図1

●さくら草皮膚炎
 春梅が咲くころ庭の枯れ草を掃除していて手、背、顔がかぶれる人がいます。これは西洋さくら草(プリムラ・オブココカ)によることが多いです。西洋さくら草は花が可憐で、繁殖力が強く育てやすいので、花屋さんにはよく売っています。 しかし、花や茎には毛があり、うるしの次にかぶれを起こしやすいので、園芸植物としては不適当と思います。どうしてもさくら草が好きな人は、日本さくら草を育てることを進めます。日本さくら草は松井田方面に自生地があり、福寿草、カタクリとともに春の山の花です。春の山林の下はカタクリ、ニリンソウ、ショウジョウバカマ、ワウチワ、雪割草等のお花畑があり、地上の天国です。

●うるしかぶれ
 山歩きをしていて本人が気づかないで顔、上肢にひどいかぶれを起こします。山道が荒れている為、山道を歩くときは木の枝や花をかき分けて進まなければなりません。本人が気づかないでうるしの枝に触れる機会も増えています。
山歩きのときは、長袖長ズボン軍手帽子で身支度をし、皮膚を露出しないで下さい。アウトドアライフはデパートへ行ったり、カタログを見てファッションを決めることではありません。動物植物地形水脈天候等自然への幅広い知恵を持って行動することです。 図2

●ギンナンかぶれ
 秋ギンナンの実を拾いに夢中になって手掌にかぶれを起こします。ギンナン拾いの時は軍手をし、タオルを首に巻いて下さい。

●菊皮膚炎
 冬に花屋さんや菊作りを趣味としている人が少数なります。光線過敏症を起こし顔、首、耳、上肢など直接触れていないところも皮膚炎を起こします。治療は滅感作療法で食用菊を食べる事を進めます。新潟や山形は食用菊を多く食べますが、群馬県は食用菊を食べる人は少ないようです。かくれみのの木・いせの木・カシュウの木・ラン・水仙も少数かぶれる人がいるので注意しましょう。






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