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シリーズ職場紹介 第18回 用度課 今井 久 病院の購入物品は、全て地下1階にある用度課の事務処理を経て院内に供給されています。 薬品、診療材料を始め、米、野菜などの給食材料や医療機器のメンテナンス費用まで含めると年間予算額は27億円に及び、病院事業費の約30%を取り扱っています。物品をより安く買うことで経営収支に直接影響を及ぼす部門です。 院内の在庫管理・使用期限チェックなど各職場と密接に情報交換を行うと共に、経費に影響の大きい高額な診療材料などは、医師等に直接協力を求め、経済効果が見込まれる結果が得られた場合は、小さなことでも経営トップ陣に書類報告することで、連帯感のある経営努力に心がけています。 さて、当院は公立病院であることから公正な業者競争も求められます。一例として、米の購入方法をご紹介しましょう。まず、国内産という一条件だけのサンプルを参加業者が用度課に提出します。これを業者名・ブランド名・産地ほか一切情報の無いサンプル袋に、ABC記号だけを表示して、審査チーム(調理師・栄養士ほか)に渡します。審査は、光沢や粒サイズ等の一次審査を通過したサンプルを複数台の炊飯器で同時に炊き上げます。試食した採点結果が用度課に報告され、用度課は、合格したサンプルの最低価格業者と4ヶ月間の契約を行います。その間、サンプルは厳正に保管され随時検品が行われます。この方法には、患者さんに提供する食材の「めきき目利き」が出来る調理師を育て、プロ意識の向上を図ろうとする現場責任者の思いも込められています。 診療材料倉庫に隣接されている薬品管理室では、常駐する薬剤師の助手として、コンピューターに連動した装置で、入院患者さんごとに仕分けした注射薬を病棟に供給する作業や、院内に配置された注射薬の在庫管理や発注作業を行っています。服薬指導など本来の薬剤師資格を有効に活用できるように、他病院に比べ価格交渉や薬品の物流の多くに用度課が関わっているのも当院の特色です。 昨今では、まるごと物品管理を業者委託する病院もありますが、長期的には、経費の発生源を他人に任せる結果となり、制御機能を失う結果になると考えます。 病院では、様々な有資格者が患者中心の医療を目的として、チーム医療の研究をしています。今後も医療現場と連携して、運営努力して行きたいと思います。 |
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2010年秋 51号 |
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