昔取った杵柄
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昔取った杵柄(きねづか)

                                     看護副部長 田中 経子

 昨年4月に念願だった奈良の明日香村へ仲間3名と旅行した。橿原神宮前駅で電車を降り、駅前の貸しサイクルショップで自転車を借りて、早速記念撮影。自転車にまたがった颯爽とした姿(走らないうちが花)をサイクルショップのおじさんが撮ってくれた。
 さて、いざ乗り出そうとしたところ、まともに乗れない。ふらついてしまい、他人のことなどかまっていられない。悪戦苦闘しているうちに何とか動き出すことができた。友達2人はすいすい自転車を転がしていたが、もう一人の友人を見ると、自転車に乗っていない。乗ってはみるが動かない、漕げない状態であり、自転車を押していた。その悪戦苦闘している姿を、サイクルショップのおじさん2人がずーっと見ている。「あのおばさん達に自転車を貸したけど大丈夫かなあ」とでも言っているかのようである。そういえば、旅行前に4人が集まって相談した時、「田中さん、自転車乗れる?大丈夫?」と聞かれたのだった。「子供たちが小さかった頃は、自転車には乗っていたので大丈夫だと思うよ」と、私が答えたのに対し、彼女は「子供の頃、相当なおてんばで大人の自転車であっちこっち乗り回していたので大丈夫」と言っていた。それなのに、私よりずっと苦労している姿を見て腹を抱えて笑ってしまった。30分程自転車と格闘したが、昔取った杵柄(?)、私もその友人もようやく自転車に乗れるようになった。調子の出た4人は、少女のように丘を登ったり下ったりしながら橘寺、飛鳥寺、酒船石,石舞台古墳、猿石へ行った。高松塚古墳は改修中のため、壁画館を見学し、飛鳥駅で自転車を返して電車に乗り、待望の法隆寺へ向かった。その間、4人は自転車の話で笑い転げていた。
 私が初めて奈良へ行ったのは15年前になる。梅原 猛の「隠された十字架」を読んだ事がきっかけで、その本には法隆寺の七不思議について書かれていて{五重塔の九輪に鎌が刺さっている(その鎌は聖徳太子の怨霊封じと言う説や落雷防止と言う説がある)・入口なのに入る人を拒絶しているかのような中門の柱がある・法隆寺の伽藍には、クモが巣をかけない・屋根から落ちる雨だれの跡ができない・・・}等々の謎を自分の目で見てみたいと思った。また、聖徳太子の生まれた橘寺を見たい、そんな思いからだった。15年前は当初、3人で行く予定であったが、うち1名の都合がつかず、2人で出掛ける事になった。
1日目は若草山から奈良公園、2日目は東大寺の大仏様を見て薬師寺へ行った。しかし、友人はお寺を見るよりもお土産を買うほうに熱中していて、「私はお土産を見ているから、あなたはお寺をゆっくり見てね」と言われても私一人では勇気が出ず、ついつい友人につきあって、お土産屋まわりの旅になってしまったことがあった。そんな経験からいつかまた、奈良に行きたいと思っていたところ、たまたま昨年の新年会で、奈良への旅行の話がとんとん拍子に決まった。35年前に一緒に看護学校に通った友達が加わり、4人で奈良の明日香村を自転車で走る事になったのだ。念願かなって大変楽しく、自転車のことも良い思い出になった。できればもう一度足腰が丈夫なうちに、同じメンバーで明日香村を自転車で走ってみたいと思っている。

                                                   
2008年秋 43号






おしらせ

その1 CT装置が新しくなりました


                                      放射線科  新井 弥津美

 CT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影装置)とは、患者様に寝台に寝ていただき、検出器が寝台の周りを360°回転することで体の輪切りの画像を撮影する装置です。

64列CT導入
 当院では、平成20年7月28日より64列CT(SIEMENS SOMATOM Sensation64;ドイツ製)が導入されました。以前のCTよりも検出器の数が増え、回転速度も速くなりました。
写真1
 これにより、短時間で広範囲の撮影が可能になり、より質の高い画像を提供できるようになりました。
 胸部や腹部の検査においては、息止めのつらい方も以前より息止め時間が短いので負担が軽減されます。
 また、検査中の装置の音がより静かになりましたので気を楽に検査を受けていただけます。



 心臓CT
 今回導入した装置では新たに心臓血管の撮影ができるようになりました。通常、心臓血管撮影では心臓カテーテル検査が行われていますが、心臓カテーテル検査では動脈に針を刺し細い管(カテーテル)
を心臓まで挿入して造影剤を直接注入して行います。
 また、検査を行うには入院が必要です。それに対し、心臓CT検査では静脈に針を刺しそこから造影剤を注射して行います。入院せずに外来検査が可能なので身体的にも精神的にも患者様の負担が少なくなります。心臓カテーテル検査を勧められているが恐怖心がある方、時間がなく入院できない方など、1つの選択肢
写真2
が増えたと思って下さい。もちろん、患者様の症状によって向き不向きがありますので必ず医師にご相談ください。





その2 リニアック棟建設工事について


 病院の南西部、現在のリハビリ庭園の場所にリニアック棟の新築工事を平成20年9月から着工し、平成21年3月末竣工予定として進めております。工事期間中は騒音・駐車場の混雑等により患者さまおよび来院される皆さまにご迷惑をお掛けしますが、ご理解ご協力のほどお願いいたします。

※リニアックとは・・・
 放射線治療装置のことで、エックス線や電子線などの放射線を当てて、がんなどの治療をする機器のことです。


                                          2008年秋 43号






手術室・中央材料室紹介

                              手術室・中央材料室マネージャー  落合綾子

 手術室、中央材料室の場所は2階エレベーター前から南棟へとつながる通路の西側にあります。常勤麻酔科医と看護師スタッフの計28名で外科、整形外科、泌尿器科、婦人科、脳外科、耳鼻科、眼科、皮膚科、口腔外科の手術対応と病院内全体の物品の滅菌作業を行なっている部門です。
 手術室の中には6部屋の各手術室とリカバリ室と言われる場所があり、月曜日から金曜日まで毎日各部屋で手術が行なわれます。今年4月から9月までの半年間では毎月平均して234件の手術が行われました。その中で全身麻酔と脊椎麻酔の手術が全体の約75%を占めており、当日の緊急手術は約12%でした。当手術室では、『安全・確実・効率的な手術』と『いつでも緊急手術に対応』を方針としてスタッフ全員が「もしも自分が、あるいは自分の家族が手術を受ける立場だったら…」と考えながら、働いています。誰もが安心して手術に臨めるように、何よりも安全と安楽を大切にしています。手術室に来られる時には、必ず名前を確認させて頂いています。手術を行なう担当科の医師だけでなく麻酔科医、検査やレントゲン技師、器械出し看護師と、手術の術前から手術終了までの対応を行なう看護師はもちろん、いつでも手術に必要な材料や器械を準備する事務や薬品部門など、全員の協力で手術が行なわれます。乳幼児から100歳という幅広い年齢層の方々が手術を受けています。誰もがこの手術室に来て良かったと言って下さる事を願って、スタッフ全員が一人一人の方々の『安全』を最優先にどんなときでも『確認』を行い日々、より良い手術室を目指して努力しています。
 中央材料室では高圧蒸気滅菌機2台とステラッド滅菌機1台を使用し、安全な器材を各部署へ提供しています。10月に1台の高圧蒸気滅菌機が新しくバージョンアップされました。

手術室からのお願い     

  

手術室スタッフ



看護師は手術室の中でこんなことをしています

図1
2008年秋 43号





限度額適用認定証について

 入院時に「限度額適用認定証」を提示すると・・・
 入院にかかる費用の病院窓口での負担が軽くなります。

図1 図2
認定証を利用するとの部分の支払いを患者さんがする必要がなくなります。 
図3
の自己負担金額は所得や年間の医療費の額によって変動します。の部分については直接
 保険者から病院に払い込みされます。

 『限度額適用認定証』は市町村窓口やけんぽ組合等の保険者(各保険組合)で取得します。
 に保険者に申請の手続きをしてください。
 認定証が交付された方は入院時に受付窓口に提示してください。


お問い合わせ



タイトル

                                             地域医療連携室 ボランティア担当


  今年も夏休みを利用して、市内の中学生がボランティア活動をとおしての「職場体験学習」を行いました。病棟では入院患者の方へのお茶配り、ベッド周りの掃除、お誕生日カード作りなどをしていただき、中央材料室では衛生材料づくりを一生懸命に取り組んでいただきました。中学生の皆さんは、患者様やご家族の方からの感謝やはげましの言葉をいただき、大変感激した様子でした。このような体験のなかで、病気治療中の患者様、元気で退院される患者様の様子、また病院で働くさまざまな人の姿などいろいろな人々に接し、たくさんのことを学ぶことができたと思います。


            (参加者) 富岡中学校 7名 富岡南中学校 2名
                  富岡西中学校 9名 富岡北中学校 6名


2008年秋 43号





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