2006年秋お元気ですか 第35号 2006年10月
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看護部看護マネジャー 清水裕子 |
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「教えて!」で始まる高校時代の友達からのメール、“きたな”と思います。友達の |
子供の手術のことから友達の友達のお母さんの病気のことまで、内容はさまざまです |
が相談のメールが届くようになりました。20代では考えられなかったことですが・・・。 |
頼りにされてうれしい反面、責任の重さを感じながらメールを返信しています。このよう |
な相談にのることも、私が今目指しているがん看護専門看護師の役割の一つです。 |
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がん看護専門看護師とは、日本看護協会が平成8年から始めた認定制度で、より |
質の高いケアを効率よく提供することなどを目的とし、一定の教育を受けた後、認定 |
試験を受けます。このような制度のあることを初めて聞く方も多いと思います。 |
なぜなら、がん看護専門看護師は全国で58名(平成18年5月現在)、残念ながら |
群馬県にはまだ一人もいません。来年度より、群馬大学大学院で必要な単位を取得 |
するコースができるそうなので、今後県内でも増えることが期待できます。 |
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がん看護専門看護師の役割には、 |
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1.患者様とご家族への看護ケアの実践。 |
2.病院で働くいろいろな職種の間の調整。 |
3.医療者・ご家族にかかわらず患者様にケアを提供する人の相談。 |
4.看護の質を向上させるための研究。 |
5.看護者に対する教育。 |
6.患者様やご家族の権利を守るための倫理調整。 |
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があります。私自身は、がん看護専門看護師を「がん患者様とそのご家族の支援 |
者」であると考えています。 |
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私はまだがん看護専門看護師の認定を受けていませんが、病院側の配慮で、 |
がん看護専門看護師を志す者として、一部署に所属するのではなく病棟へ外来へ |
と動き回り、患者様とお話をさせていただいたり、病棟の看護師とより良いケアに |
ついて話し合ったりしています。「話を聞いてほしい」、「どうしたらよいかわからない」 |
などありましたら、いつでも声をかけてください。少しでも皆様のお役に立ちたいと |
考えています。 |
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2006年秋 35号
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2A病棟看護師 竹田久美子 |
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2A病棟は、整形外科単科の45床の病棟です。中島マネジャーと23名のスタッフで切り |
盛りしています。年間600件以上の手術がある整形外科は、患者様の入れ替わりが早く、 |
多分かなり忙しい病棟です。患者層はというと、何と45床の内、60パーセントが65歳以上 |
、他は小児から若者、中年・壮年・老年とあらゆる年齢の患者様がいます。術前・術後から |
リハビリ期を経て、社会復帰に向けての援助をしているので、とてもやりがいを感じられる |
病棟です。 |
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医師は、皆さんご存知の柘植副院長を筆頭に計7人の医師がいます。看護師と医師の |
仲も良く、患者の退院に向け協力しあっています。例えば日常業務の中の一光景を紹介 |
すると、16時過ぎ、作業療法士が「トランスファー(ベッドから車椅子に乗り移る)お願いし |
ます」と、サービスセンターに声をかけると「はーい」と医師と看護師が返事をして、一斉 |
に車椅子移乗の介助に向かいます。そして、100kg近い患者様を「せーの」の掛け声と |
共に6人でベッドから車椅子に移乗します。半身麻痺している患者様を安全に移乗する |
には力だけでなく、皆の呼吸が合っていることが必要です。でもこの病棟はそれが出来る |
病棟なのです。 |
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さて、看護はというと、受け持ち制プラス機能別で病棟業務を行なっており、パートの |
看護師1名とナースヘルパー1名が、それぞれの業務に携わっています。薬剤師も内服 |
薬・注射薬の管理はもちろん、困ったことや解らないことがあると、いつでも相談に乗って |
くれています。 |
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チームワークを大切に |
また整形看護の特徴として、リハビリ期に |
おけるADLの拡大が重要になるので、食事の |
準備・片付け、排泄介助が多いです。特に |
毎食前後や消灯前、起床時のトイレコール |
の多さは病院一と言ってよいほどです。 |
各勤務いつもばたばたしていますが、それで |
も徐々に自立していく姿を見ると、うれしくなり |
疲れも忘れてしまいます。 |
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事務部 大手 隼人
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こんにちは、公立富岡総合病院診療報酬請求課・大手です。今回は私が入部している |
野球部について少しだけですが、ご紹介したいと思います。 |
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まず、野球部の主な活動内容ですが、4月〜9月の半年間、毎週木曜日の勤務終了後 |
に練習をし、土日などで日程を組み、練習試合をしています。そして、毎年9月中旬に |
行われる、西毛地区公立病院対抗野球大会に向け、日々実力とチームワークの向上に |
励んでいます。 |
部員は99%男子で、厳しくも暖かい監督、華を添えるマネージャーもいる、とても雰囲 |
気のよいチームです。 |
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今年は、9月17日に大会が行われ、1日3試合というハードな日程の中、見事優勝を |
勝ち取ることが出来ました。しかし、この一言では語りつくせない感動と努力があったと |
思います。まだ寒い中始まった厳しいノック、暑く苦しい中での紅白戦、手にマメを作っ |
たバッティングセンターでの個人練習、本番当日のチーム一丸となった応援・・・思い返 |
すと、涙が浮かんできます。 |
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そして、このような環境で培われたチームワークやコミュニケーションは、そのまま職場 |
にも生かされています。医療という目まぐるしい業務の中で、重要な要素の一つが、連 |
携・チームワーク、そして患者様を助けるという使命感です。医師が診察して、看護師、 |
検査技師、放射線技師、薬剤師、事務等がこれをサポートする。そして、患者様の症 |
状を少しでも和らげようとする使命感によって、医療は成り立っています。 |
野球も全く同じ精神に則って繰り広げられるスポーツです。誰かが苦しければ、周りが |
励まし、助けることのできる素晴らしいスポーツだと思います。 |
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これからも、富岡総合病院野球部で学んだ精神とチームワークを、日々の業務に十分 |
反映して、安心して診察を受けていただける環境作りに邁進していきたいと考えており |
ます。 |
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放射線科技師長 戸塚 幸雄
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最近、がんの診断においてPET検査が注目されています。県内にも、現在5つの施設 |
にてPET検査を行うことが出来ます。この検査は、従来のX線CT検査のように、「腫瘍の |
形をみる」、つまり形態を見る画像診断とは原理的に異なり、「腫瘍の機能をみる」、つま |
り機能画像診断として非常に有用性が高いものです。しかしながら「すべてのがんが早期 |
発見できる」「100%確実に診断可能」といった、夢のような診断法ではありません。 |
今回は簡単にPETの原理について説明します。 |
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PETの原理 |
つい3、4年前まではPET検査と言うと、ペット(動物)のための検査だと勘違いされる |
ことが多かったのですが、そうではなく「陽電子放射断層撮影(PositronEmission Tomog |
raphy)」を略してPET(ペット)検査と呼ぶということが最近だいぶ通じるようになってきま |
した。PET検査は従来の核医学検査と同じで、陽電子(ポジトロン)を放出する放射性核 |
種(ポジトロン核種)で標識した薬剤を静脈から注射して体内へ投与し、体外へ放出され |
るガンマー線(放射線)の挙動を捉えて画像化する検査です。 |
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日本語では、陽電子と言います。ポジトロンは電気的に非常に不安定です。体内に投与 |
された放射性薬剤からポジトロンが放出されるとすぐ近くのマイナスの電荷を持った電子 |
と結合し、エネルギー変換されて180度反対方向に一対の消滅ガンマー線を放出しま |
す。通常の薬剤を体内に投与したのでは、それが体内でどのように挙動しているかわか |
りませんが、薬剤の構成元素の一部をポジトロン放出放射性同位元素にすり替えること |
により(これを、ラベリングと言います)、薬剤の特性は変わらず、ガンマー線を体外に |
放出するようになります。このガンマー線を体外から装置にて測定して画像化するのが |
PET検査です。次回は、「PET検査で何がわかるのか」について説明したいと思います。 |
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2006年秋 35号 |