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■病院機能評価を受けて
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■夏休みボランティア体験
■肺炎とインフルエンザ




2005年秋お元気ですか                第31号 2005年10月



タイトル

外来マネジャー 萩原利津子
 『ふるさとは遠きにありて思ふもの』私の故郷は北陸の富山市です。富山と
いってもあまりイメージがわかない人が多いと思いますが、鱒寿司、ホタルイカ、
おわら風の盆、と挙げればおわかりいただけるかも知れません。
私の実家は富山港の近くに在り、子供の頃は海辺で遊んだり、港に出入りする
外国船を見に行ったりしたものです。昔は北前船の立ち寄る港町であった為、
その面影が残る建物も其処彼処に残っており、文化財に指摘されているものも
在ります。
しかし、私の故郷自慢は、何といっても富山湾から一望する立山連峰の美しさ
です。万年雪を頂いた山々を朝焼けに染めながら輝き出てくる太陽は神々しく、
山岳信仰が存在する所以だと思います。晴れた日に雨晴らし海岸から義経岩の
背景に立山連峰が日本海まで続いている光景は絶景です。

イラスト  幼い頃から潮騒を聴き、立山連峰を背に
した海を見ながら育った私は、群馬に嫁いだ
当初は山に囲まれた環境になかなか馴染め
ませんでした。結婚して夢のような専業主婦
生活も半年で嫌気がさし、知人のいない寂し
さもあり、縁あってこの病院に就職してから
30年が経ちました。振り返ってみると、くじけ
そうになったことも沢山在りました。

 しかし、私が看護師を続けるために夫や義父母が協力し、3人の娘達も健康に
育ち、家族皆で支えてくれました。また、職場環境も良く、共に働く仲間や上司に
も恵まれました。そして最も勇気付けられたのは、患者様方の笑顔と温かい言葉
でした。色々な人々と出会い、様々な経験をする中で、いつの間にか群馬で暮
らした年月の方が永くなり、しっかり当地に根ざして、今ではすっかり上州の○○
殿下です。

 先日、私が幹事で看護学校の同窓会を草津温泉で開催しました。看護学校
時代、金沢で過ごした3年間の思い出をクラスメイトと話しながら、風光明媚な山
や湖をバスで案内し、豊かな自然に恵まれた当地の自慢をしている自分に気付
きました。いつ訪れても故郷の風景や私を迎えてくれる人々の温かさは変わらな
いのですが、両親を相次いで亡くしてから、何故か遠くに感じるようになりました。
自然、文化、人々との触れ合い、母から受け継いだ味等など、私にとって故郷は
両親や周囲の人々が育んでくれた生活そのものであったように思います。
これからは私自身が母親としてこの土地でいただいた沢山の事を娘達に伝え、
彼女達が誇れるような故郷に育んでいかなければならないと感じる今日この頃

です。


 2005年秋 31号

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イラストタイトル
診療部長兼脳神経外科主任医長 三隅修三 
 日本の医療は、だれでも、どこでも、何日も待たされることなく、すぐに安い治療
費で医療が受けられ、低い乳幼児死亡率、世界一の平均寿命などからみて、世界
でトップにあるとWHOでも評価され、誇ってよいわけですが、マスコミに医療問題
が取り上げられない日はなく、医療を受ける患者としての不安ばかりか、医療を
提供するものとしての自信もゆらぎかねない状況です。

 医療保険制度、医学大学も行き渡り、医療制度・医療水準の向上の基礎など量
的な確立は達成されたとされています。しかし、今日の激しい社会環境の変化とと
もに、医療機関の機能分担とそれに見合った質的な向上が求められています。
“改革”が、最近の中心話題ですが、改革とは言わないまでも、機能向上には、第
三者による客観的な評価が必要で、医療の面でも、10年前に、当時の厚生省
(現:厚生労働省)、日本医師会、日本病院会などにより、財団法人医療機能評価
機構が創立され、今日、全国で3割の医療機関が審査を受けています。
当院は、5年前に、機能評価で認定されました。今年は更新ですが、新たな気持
ちで、昨年4月より、各部署から委員を出して、業務の見直し・改善と、院長への答
申を行う等の準備を始め、今年の6月に再審を受けました。審査は自己評価を含
む書面審査と、機構からの3日間の訪問審査と結構厳しいものからなります。

イラスト
 審査内容は、557項目で、「病院の方針と地域要請の整合性」、
「患者の権利・安全の確保」、「患者サービス・療養環境」、「診療・
看護の質」、「運営管理」といった病院のすべてがチェックされま
した。ニュース報道等、問題とされる医療過誤・院内感染対策、
根拠に基づいた診療等、も重要な評価項目に入っており、質の
高い第三者評価と考えられました。

準備をする中で、病院には、何百人という職員が病院、しいては患者さん中心の
医療を支えているとあらためて感じ、病院幹部の指導力のみならず、各部署から
なる業務改善委員会などの日常的取組みの重要性を感じました。

 評価の結果は仮認定ということで、診療情報の開示・提供の明示、同意書の統
一、患者行動制限・解除努力に医師の記録などという改善要望がされましたので、
すぐに改善をはじめました。

 機能評価は、病院の機能改善に有用なものですが、患者となって感じる矛盾、
“3時間待ち、3分診察”、“救急室での混雑”などは中々、解消されるものではあり
ません。時代の要請は病院機能評価の次には、診療のレベルも評価される病院
ランク付けと聞きます。当院はこの地区での急性期病院として、開業医先生方との
連携を強めています。症状の軽い患者さん、病気の落ち着いた患者さんには、
診療所をホームドクターとしていただき、当院が急性期病院としての医療に専念で
きるように、院外処方制度、病診連携制度に御協力いただければ幸いです。

 2005年秋 31号  


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タイトル

タイトルタイトル

薬剤部 黒沢徳仁  
 薬剤部では、内服薬の調剤、注射薬品の病棟への供給、病棟での服薬指導、
薬品情報提供、高カロリー輸液の調製などの業務に加えて、これまでにはなかっ
た新たな業務に取り組んでいます。今回ご紹介するのは、2B病棟での注射薬剤

の無菌的調製業務です。


 注射薬は、粉末状の薬剤を液体の輸液に溶かしたり濃度をうすくしてから注射
や点滴をする必要があります。その作業を
2B病棟内のクリーンベンチ(写真)
2B病棟内のクリーンベンチ
 
無菌的に行なうことは、患者様により安全で
効率の良い医療を提供することにつながります。
 2B病棟には、ICU(集中治療室)、HCU(高度
治療室)が併設されており、いわゆる重症な
患者様が多く入院され、治療を受けています。
中には細菌感染への抵抗力が弱ってしまって
いる患者様も居られますので、特に注射薬剤
の調製作業には注意が必要とされます。


無菌的調製業務の様子(写真)
  無菌的調製業務の様子
 私たち薬剤部では、2B病棟内にクリーン
ベンチを設置して、滅菌手袋、滅菌ガウンを
着用し、可能な限り無菌的な環境で作業を
出来るよう努力しています。
 現在はまだ全体の調製業務のうちの一部分
のみが薬剤師による調製ですが、無菌的調製
への期待は高まってきておりますので、今後
は一人でも多くの患者様に安心して治療を受
けていただけるよう、必要性に応じて対応して
いきたいと考えています。

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タイトルイラスト

タイトル
1階トイレ内にストマ洗浄コーナを設置しました。

院内図
トイレ


タイトル イラスト
  日頃の健康の相談役として、“かかりつけ医”
(ホームドクター)を決めておくことをおススメします。

 当院では、“かかりつけ医”の先生方との医療連携を積極的に行っています。
病状が安定したときは“かかりつけ医”の先生に診ていただくことをおススメします。
“かかりつけ医”の先生への紹介をご希望の方は、担当医へご相談ください。

 初診時(新しい診療科を受診される場合)には“かかりつけ医”の先生からの「紹介
状」をお持ちいただくことをおススメします。これは専門的な外来診療や検査、入院
診療などをより安全で効率的に提供させていただくためのものです。
なお、紹介患者様につきましては、外来受診時に優先的に診療を行っています。

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イラスト  タイトル

イラスト
 夏休みを利用して、たくさんの生徒さん、学生さんが、
病院ボランティアとして頑張ってくださいました。

富岡北中学校生 11名、富岡東中学校生 5名、富岡中学校生 2名、
富岡西中学校生 13名、高崎健康福祉大学高崎高等学校生 1名、
高崎健康福祉大学生 2名、育英短期大学生 1名    (順不同)


 二年目のボランティア
   富岡中学校二年生  男子
 今年、7月25日から29日まで五日間、大変貴重な体験をさせて頂きました。
今年は2度目のボランティアだったので、だいたい出来るだろうと思っていました。
しかし、やった仕事は、去年とは少し違い、担当の場所で仕事内容が違うことを
聞きました。

 僕は、色々な仕事をさせてもらいました。その中でも一番心に残ったのがお茶配
りでした。なぜなら患者さんと接することができたからです。他にもベッドを地下室に
運ぶ作業など、沢山の仕事をやらせて頂いてとてもためになりました。
また、患者さんと車イスで散歩に行ったときの緊張や、そのときの会話はとても心に
残っています。

 最後になりましたが、僕の担当場所だった3A病棟の皆様、そして、患者さん、
本当にありがとうございました。

イラスト

 ボランティア
   富岡中学校二年生  男子
 僕は夏休み中に7月25日から5日間ボランティアとして富岡総合病院に行って来
ました。病院では清掃のため病棟サービスセンターや病室に行けました。
ボランティアとしてではないと入れない場所なので貴重な体験となりました。他にも、
患者さんのベッドの清掃をやったりしました。

 看護師さんに「患者さんと車イスで散歩に行って来て」と言われたので行きました。
すごく緊張しました。病棟の掃除もしました。窓や床やベッドの角、テレビの上など
細かい所まで一生懸命することができました。「ありがとう」と言われてすごくうれし
かったです。清掃をやって疲れたけど、とても勉強になったのでよかったです。
いつも病院を掃除している人はえらいと思いました。
また機会があったら、ボランティアとして、お手伝いしてみたいです。

2005年秋 31号



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イラストヘルスフォーカス   タイトル
内科(呼吸器)主任医長 石塚隆雄
 夏も終わり涼しくなってきました。風邪などの感染症に気をつけないといけない季
節です。普段は気道粘膜細胞から分泌された粘液が、細胞表面の線毛によって
気管支から咽頭へ運ばれ、ウイルスや細菌などを外にだす機能が働いています。
しかし空気が乾燥してくると咽頭粘膜が乾き、この防護機能が低下します。このため
肺炎やインフルエンザにかかりやすくなります。

 そこで、感染の予防として
A) 外出時にはマスクをして、室内では加湿器などを使って適度な湿度(50〜70%)
  を保ちましょう。
B) 十分に休養をとり、体力や免疫力を高め、バランスよく栄養をとりましょう。
C) うがい・手洗いを励行しましょう。

 インフルエンザの予防には流行前にインフルエンザワクチンを接種する方法もあ
ります。流行前ですから10月〜11月に接種するとよいでしょう。
 適応になる方は
1. 65歳以上の人
2. 老人施設入所者
3. 慢性の呼吸器系・循環器系・代謝性(糖尿病など)・腎疾患の人
4. 免疫力の低下した人
などです。

 インフルエンザに罹患したら、治療薬として抗ウイルス薬を医療機関で診察した上
で内服するとよいでしょう。インフルエンザは通常2〜3日で解熱しますが、その後も
2日間くらいは他の人にうつす可能性が高いので人の多く集まるところには出ない

ように配慮しましょう。


イラスト  肺炎の原因となるウイルスや細菌は多数ありますが、一般の
人がかかる肺炎(市中肺炎)で一番多いのは肺炎球菌です。
肺炎球菌にもワクチンがあり、脾臓を摘出した人には健康保険
が適応になります。それ以外の人は7,000円〜8,000円の
実費負担となります。接種した方がいいと思われる人は上記の
1〜4とほぼ同様です。この免疫はよく持続して一度接種すると
5年以上続きます。いずれにしてもインフルエンザウイルスと
肺炎球菌の感染症にしか効果はありませんのでワクチンを
接種したとしても日ごろの感染の予防に心がけましょう。

2005年秋 31号



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