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2001年夏お元気ですか 第13号 2001年7月 |
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健診センター長 梅枝 愛郎
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この4月に健診センター長に就任し、健康について考える事が多くなりました。 |
日本は今や世界で最も長生きの国になりましたが、これには健康と表裏一体の |
病気克服への取り組みがありました。50年前までの死因は結核、肺炎の感染症 |
が上位でしたが抗生剤の開発で治るようになり、その後は脳卒中、癌、心臓病 |
(の3大成人病)がずっと上位を占め、20年前からは癌がトップとなり依然増え続け |
ています。この3大成人病は生命予後に関わらなくても大きな障害を残してQOL |
が低下するため、その前段階での高血圧、高脂血症、糖尿病、初期癌などの早 |
期発見、早期治療に力が注がれ、平成8年にはこれらの疾患の発症、進展には |
食事、運動、嗜好品等の生活習慣が密接に関連していることから「生活習慣病」 |
という一次予防(病気にならない)を目指す用語が作られました。 |
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「予防にまさる治療なし」で、病気の治療から健康維持へと目が向けられていま |
す。ここで、現在の死因第1位の癌について、実行すれば発病が60%抑えられると |
推奨されている<癌を防ぐための12カ条>というのを見てみましょう。 |
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1. バランスのとれた栄養を取る |
2.毎日、変化のある食生活を |
3.食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる |
4.食べ過ぎをさけ、脂肪はひかえめに |
5.塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから |
6.焦げた部分はさける |
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7.カビの生えたものに注意 |
8. お酒はほどほどに |
9. タバコは吸わないように |
10. 適度にスポーツをする |
11.日光にあたりすぎない |
12.体を清潔に |
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こんな当たり前のことを行なうだけで癌が60%も防げ、しかも癌以外の生活習慣 |
病の予防や非薬物治療にも当てはまります。折に触れて思い出してもらえたらと |
思います。但し、「言うは易く行うは難し」で、問題は実行し且つ継続できるかどう |
かです。顧みますと、昔は細菌やウィルスなどの外敵との闘いでしたが、現在の |
健康の敵は、“美味しい物をたくさん食べたい”、“コンビニエンスライフ指向”と |
いった人間自身かもしれません。しかし、健康至上の禁欲的生活も一つの選択 |
でしょうが、人生には楽しみも必要(絶対?)、結局、程よい自制心を持って健康 |
に留意しながら自分で納得の行く人生を送る、という陳腐な事が結論になるので |
しょうか!?
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