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■病院の理念と基本方針
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■外来請求書の見方をご案内します
■『新医師臨床研修』が当院でも行われます
■緩和ケア病棟開設に向かってふくらむ夢
■諏訪中央病院緩和ケア病棟を見学して




2004年春お元気ですか                第25号 2004年4月



新医師臨床研修に思う

副院長兼診療部長 飯塚 邦彦


 平成16年4月から新臨床研修制度が始まります。
総合病院にもこの春4人の新卒医師が赴任する予定です。

 20年前、私はなんとかまともな医者になろうと思い臨床研修を始めました。
医師免許をもって初めて受け持った患者さんは、難治性の白血病で、毎日患者さん
に謝りながら採血したことを覚えています。

 私を指導したF医師は米国留学を終えた内分泌学の専門医でしたが基礎だけでな
く専門以外の内科一般臨床にも長けた立派な医師でした。大学病院でのフルコース
をF医師は指導してくれました。新卒の私はただただ無我夢中でした。
最初の死亡診断書を私が書くことになった夜、F医師は「医師免許をとって最初の
2年の姿勢がその人の医師としての一生を形づくる。」と教えてくれました。
八重桜と病院 尊敬できる指導医に巡り会い、マンツーマンに近い
丁寧な指導を受けられたことは今でも幸運だった
と思っています。
しかし、私たちは同じ手法を今使えません。
なぜなら大学病院と現状が大きく異なるからです。
第一に教わる側に時間がありません。
第二に教える側にも余裕がありません。
大学病院と救急の第一線病院では要求される
診療スピードが全く異なるのです。

いかにして有意義な研修を実現できるのか? 
そのヒントを平成16年3月6日見いだしました。公立富岡総合病院で有志が手弁当
で始めた第4回救命救急講習会です。2000年に米国心臓病学会を中心に提唱さ
れている世界標準の救命救急法(基本のBSLと高次のACLS)は今や医師や集中
治療室の看護師に必須の知識・技能です。
この日の講師は循環器科のN医師、外科のI医師に看護師のSさん、Uさん、Mさん
と全員見目麗しい若手女性でした。彼女らはすでにACLSの講習をマスターし、
今度はインストラクターとしてBSLとACLSの普及推進をしているのです。教わる側
から教える側への華麗なる変身です。一方、受講者が対照的でした。
私も含め全員男性。内科、外科、泌尿器科、整形外科と診療科を問わず参加しま
した。臨床20年のベテラン医師も含んでいました。いや、医師だけではありません。
甘楽富岡地区の救命救急士も参加し、その技術向上をめざしていました。参加者
は全員世界標準を自分のものにしようと必死でした。土曜日丸一日かかりましたが
受講者は快い疲労感と充実感を味わったようです。
こんな光景は大学病院では見たことがありません。
若手女性医師や女性看護師が協力してベテラン男性医師を指導する姿はなんと
新鮮でさわやかなのでしょう。研修医にぜひとも見てもらいたい職域、年齢、性別を
超えた医療従事者の良心です。

 新人医師を育てるのは先輩医師だけではありません。
コメディカルである看護師、放射線科、臨床検査技師、理学療法士、栄養科、医事
や総務課の事務スタッフ、嘱託で職場を共有する企業(製薬メーカーや医療器具
メーカーを含む)は勿論ですが、主役はなんと言っても患者さんでしょう。

研修1
ぜひ、一緒に新人医師が良医に育つようご協力
願えればと思います。臨床研修というと専門分化
した医学的研修項目がまず頭に浮かびます。
しかし常勤医師だけではなく富岡、甘楽地区の
人々全体で新人医師を育むという姿勢が成功の
鍵となる気がします。

最後に、富岡一期生がこの地域の将来を託せる良医に育って欲しいと思います
が、中には世界に羽ばたく逸材、世界標準を塗り替えてゆく名医を輩出してゆく、
そんな夢を持っていたいと思います。



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病院の理念と基本方針


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管理職紹介


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外来請求書の見方をご案内します。

◎外来請求書は、診療後、各ブロック受付よりお渡ししています。


* 院外処方せんの方は、かかりつけ薬局に行く前に、必ず『くすり』の窓口で院外
   処方せんと引き換えてください。

外来請求書説明



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「新医師臨床研修」

健診センター長 梅枝 愛郎


 いよいよ、この春から新医師臨床研修が始まります。
 従来の研修は、将来自分が専攻したい分野の医局に入り、大学とその関連病院で
卒後2〜3年間行うもので、内容は初めから限られた範囲に偏りがちでした。
研修終了後は、専門的な疾病・臓器中心、学問・研究重視の傾向が強まり、この為、
患者中心の全人医療とはかけ離れ、また医局からの医師の派遣人事などでも問題点
が多く、昨今これらに伴う弊害が噴出してきた事は、新聞等で皆さんご存知のことと思
います。
研修2
 新医師臨床研修は、上記の反省に立って、
卒後2年間はまず日常診療でよく見られる
病気や負傷に適切に対応できるよう、幅広
い、基本的な診療能力を身に付け、且つ患者
本位の診療態度などを培うべく導入された
制度です。

内科・外科・救急・麻酔・小児科・産婦人科などの領域を廻ります。
その後専門医となっても、専門領域周辺分野の病状の人にも適切に初期対応出来る
能力を具備した医師を養成するのがこの制度の趣旨の一つです。

 当院では“出来たてホヤホヤ”の若手医師4名が、5月から研修を開始しますが、
この医師達が将来の群馬県やこの富岡を含む西毛地区の医療を担うことになります。
大学輩出の専門医も必要ですが、数も担保されておらず、この地域の医療の特性
にあった医師の自前の育成は非常に大事で、病院ばかりでなく地域全体として取
り組む事が必要と考えています。

 指導医のもとで診療に携わりますが、この2年間に出来るだけ多くの傷病を経験す
る事が基礎診療能力の定着と向上に繋がりますので、皆さんのご理解、ご協力をお
願いします。関係者全員が、厳しくかつ暖かい眼差しを研修医に向け、その育成を
成功に導きたいと思っています。




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研修報告

たいとる2

4B病棟副主任 桐渕 慶子


 公立富岡総合病院において、緩和ケア病棟を開設するための準備が始まりました。
その一環として昨年10月に埼玉県立がんセンター緩和ケア病棟を見学してきました
のでご紹介したいと思います。

 埼玉県立がんセンターは埼玉県伊那郡にあります。病床数400床を有し、緩和ケア
病棟は18床です。病棟全体の配色は白と淡いオレンジ色であり、暖かみのある、落ち
着いた印象を受けました。個室には、応接セットがあり、ソファーベットとしても利用で
きるようになっていました。病棟の一角には、ご家族が患者様の食べたい物を調理で
きるようにキッチンが設けられており、多くのご家族が利用しています。
談話室にはピアノやマッサージ機・喫茶店のような素敵なカウンターが設置されてお
り、様々な季節の行事や休息・安らぎのために利用されています。
イラスト  
廊下には絵画が飾られ、数箇所ある小さな飾り棚には、
季節の草花が生けてあり、目と心を和ませてくれます。
このような配慮により患者様・ご家族がくつろいだ雰囲気
の中で、共に穏やかに過ごす時間がもてるだろうと感じ
ました。

 緩和ケア病棟は、患者様が自分らしく充実した日々を送れるように、身体的な苦痛
だけでなく精神的な不安や恐怖、様々な苦悩を和らげるケア(緩和ケア)を専門的に
提供するところです。このことから、入院生活を患者様が少しでも穏やかな気持ちで
過ごすことができるよう、病棟の雰囲気はぬくもりのあるものにしていきたいと考えて
います。

 埼玉県立がんセンター緩和ケア病棟での見学を生かし、当院独自の緩和ケア病棟
を開設して行けたらと夢を膨らませています。




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たいとる2

3B病棟看護師 長塚 宏美


 諏訪中央病院は、長野県諏訪市の八ヶ岳山麓のすそ野に位置した小高い丘の上
にありました。病院の2階の南側に面した大きな窓からは、八ヶ岳の赤岳の雄姿が
くっきりと浮かび、見るものの心を癒してくれています。その八ヶ岳を見渡せる病院の
一角に、わずか6床という小さな規模の緩和ケア病棟がありました。

 廊下の壁には木の実で作ったリースや紙粘土の人形が飾られており、病院の雰囲
気というよりやわらかい雰囲気をだしていました。又キッチン付きのラウンジには和室
もあって、自由に利用できるようになっており、音楽を聴きながらコーヒーや、かき氷
などがいただけるようになっておりました。

家族的なほのぼのとした雰囲気が伝わり、患者様が自宅 イラスト
でくつろぐのと同じような空間が用意されておりました。
当院でも来年度には緩和ケア病棟が開設される予定です。
緩和ケア病棟は、その人がその人らしく、日々を過ごせ
ることが大切と考えます。患者様やご家族の、又関わりの
ある人たちのために、少しでもお役に立てるような病棟
作りをしたいと思っています。



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